ESG投資とウォーターポジティブ in 2030
地球環境問題への対応で温室効果ガス排出削減、カーボンニュートラルということが言われています。多くの企業で、2050年までにカーボンニュートラルを実現する、というコミットメントがなされています。水の分野ではウォーターポジティブ、使った分以上の水を世の中に還元する、を2030年までに実現する、というコミットメントを行う企業が増えてきています。(Meta, Google, P&G等。日本ではサントリーが一時CM流していましたね。)
カーボンニュートラルのゴールは2050年ですが、ウォーターポジティブのゴールは2030年です。もうすぐそこです。
どこまで水運用の情報開示を行なうのか、どこまでコミットするのか、水再利用のプロジェクトをどういうかたちで進めるのか、課題山積です。
アジアの製造拠点の現場の課題
日本の製造業は、アジアに多く進出しています。アジアの製造拠点の水運用を見直し、打てる手を早急に打っていく必要があります。一方で、日本企業の製造拠点のユーティリティ&オフサイトは、多くが老朽化し更新の時期を迎えています。法規制対応や運転管理・補修、小さな設備投資はローカルに委ねられており、日本の本社でイニシャティブを取りにくい実態があるのではないでしょうか。昔はどこの会社もトラブルシューティングで国内外の現場を走り回るシニアの水処理エンジニアがいましたが、皆さんとうに引退されてしまいました。
解決策は現場から
まずは製造拠点のユーティリティ&オフサイトのエンジニア達との連携を再構築し、問題/課題をアイデンティファイし、水の長期戦略に反映させる、プライオリティをつける、そしてコーポレートとしての投資計画を立案していく、ということでありましょう。実現不可能なコミットメントが先に来てしまうことは避けたいものであります。
まずは社内の人材育成、生産拠点との連携を推進し、ガバナンスを取り戻すことが重要です。